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zoom RSS 究極の「手の内」

<<   作成日時 : 2012/04/02 18:28   >>

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以前の記事テーマ『「手の内」の筋力について』(2009/07/20)で、『「弓構え」で両手の内を整えるが、その「手の内」は弓や弦を握る筋力を用いることではない。「手の内を整える」と云うことは「形をつくる」と云うことであって、握る力は手の平の屈筋を使った握力であるから握らずに「手の形をつくる」ことである。 その時に握る力を用いてはいけない。手の甲側の伸筋を使って「形」を造り整えることである。』と述べた。

上記は、手の平側の屈筋を使わないで、手の甲側の伸筋を使って、両手の内を整える。と、記しているが、屈筋をまったく使わないということではない。手と手指の全体の屈筋と伸筋を同時に収縮させて、掌を固めて型を形成し「手の内」を整えるのである。

では、屈筋と伸筋を同時に収縮させるとは、どのようにすることなのか?
同時収縮とは、曲げる筋である「屈筋」と、伸ばす筋である「伸筋」が同時に収縮している状態のことで、両方の筋が縮もうとすることで力を発揮しているため、骨は両方向から引っ張られ、動かない状態である。言い換えると、「筋肉は収縮して力を発揮しているのに、関節は動かない」のである。つまり、同時収縮の働きは、関節を動かすことなく、関節を固定する力が作用している状態のことである。

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【手の背側表面図】
背側に伸筋の腱帯が6区画に分かれている。

1区画:長拇指外転筋・短拇指伸筋
2区画:長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋
3区画:長拇指伸筋
4区画:総指伸筋・固有支持伸筋
5区画:小指伸筋
6区画:尺側手根伸筋


手の筋肉は、手の平側に屈筋があり、手の背側(甲側)には伸筋がある。
その伸筋は、弾力のある筋肉ではなく、細長い腱帯(スジ)が何本かに区分されて指先の骨関節につながっている。その腱は、もう片方の指先で手の背側を触診することで確認ができる。

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上図は、手指を反らして、各伸筋帯の腱が緊張して収縮した状態である。

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上図は、反らして開いていた五指を閉じるようにしながら、手の背側の伸筋腱帯を指先の方向に延ばした状態である。(腱帯の長さが伸びるわけではない)
これは、手の伸筋を主体的に緊張しながらも、手の平側の屈筋が緊張して収縮する力と、手の背側の伸筋の筋収縮とが、均衡(バランス)した状態である。いわゆる伸筋と屈筋が同時収縮した状態で掌が固まっている。掌が固まっている状態であるが、手首を固めてはならない。この掌を固めた状態で手首をグルグルと回すことができるように、手首関節はリラックスさせて、手首の力を抜いていることが肝要である。(力まずに手首を柔らかくさせて、掌の伸筋を緊張させる)

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上図は、掌の伸筋を緊張させたままにして、小指と薬指の付け根関節(MP関節)を折り曲げながら二指の指関節(PIP関節とDIP関節)を丸め、拇指の付根関節(CM関節)を指先方向に延ばしながら、中指の指先関節(DIP関節)の下に拇指の指先を潜り込ませる。この状態(形状)を保ちながら、二指(小指と薬指)を握り締めつつ手の背側の伸筋腱を指先方向へ伸張させる。これが三つガケで取懸けた「手の内」の形で、屈筋と伸筋を同時に収縮させて妻手の「手の内」を小さく固めて整えた状態である。(弦溝で弦を脇正面方向に押しつける感じで、拇指の手首側にある伸筋の腱を指先方向へ延ばす)この形を維持した状態で手首関節をリラックスさせて、手首の力が抜けていることが肝要である。

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上図は、左手の弓手「手の内」で、妻手と同様に手の背側の伸筋腱帯を指先方向へ延ばしながら、三指(小指・薬指・中指)の指関節(MP関節とPIP関節とDIP関節)を丸めながら曲げて三指を揃え、中指の指先側面の上に親指の腹面を重ね合わせ、拇指の付根関節(CM関節)を指先方向に延ばして、伸筋と屈筋が同時収縮した状態で「手の内」を形成し、その形を維持するように「手の内」を固めることで両「手の内」が整う。(手首関節は力まないこと)

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上図は、弓構えで両「手の内」を整えた状態を示している。
左「手の内」の手の平側にできた空間の中に、弓がすっぽりと入って、右「手の内」の手に堅帽子の弽を挿せば、弓構えでの究極の「手の内」が整うのである。

この「手の内」は、射場に入場する際に弓と矢を手に持つ時点から、手指の伸筋と屈筋を同時に収縮させて両「手の内」を整えて、弓と矢を保持していることが出来ていなければならない。
この究極の両「手の内」で弓と矢を保持することによって、執弓の姿勢においても隙のない、生気体の姿勢が具現できる。

日常生活においては、手の背側の伸筋を使うことが少なく、手の平側の屈筋を使った動作が多いい。普段の生活では伸筋が使われていないから、無意識でいると弓を握る屈筋の力が自然と働いて、手先の射となってしまうことになる。意識的に手の甲側の伸筋の腱帯を鍛えるトレーニングを日常生活の中に取り入れて行ない、いざ弓と矢を手にしたら屈筋と伸筋がバランス良く働いて、射行を安定さることが可能となる。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
養心さん、今晩は。
手の内は、微妙なものですよね。
現在の私の考えで云えば、手の内は形作るもので、そこに弓を入れて離れでの弓の姿勢を制御したり、弦返りに伴って弓の初期回転角を調整したり、弓返りを起こさせたりします。
そして、手の内の中に弓を入れても弓返りを可能にする空間を残しながら、手の内はしっかりと残身まで堅持されるものと考えております。

しかし、手の内は体幹から左腕を通してその先に位置しています。
つまり、手の内だけが整えられた形を堅持しても、左腕の動きや弓手の手首の振り等によっては、手の内の機能が充分に発揮されないことが有ります。
特に、弓手の手首が上に押し曲げられれば、上鉾は戻ります。
また、ある一定以上に手首が反れば、矢所は後ろになります。
私の場合も離れで僅かに親指が的に突き出るようになりますが、
出来るだけ手首を固めて、抑えています。

手首を固めていない射の場合、会では親指から伸びる筋を出来るだけ真っ直ぐにして弓力を受けているのですが、残身を見るとその筋が手首から上へ折れ曲がっています。
これは、手の内の最も重要な弓力を受け切るということが出来なかった証です。
弓と手の内の十文字が、手の内だけではなく、手首や左腕との連携で成り立っていると云う事だと思います。
レフティー
2012/04/05 00:04
レフティーさん、「手の内は一生」と言われていて、習得するのに一生かかるほどむずかしいそうです。むずかしくさせているのは指導者の教え方が、手先のことばかりを言うからだと思います。
例えば、「三指の爪揃えをしなさい」とか「親指の指先を伸ばしなさい」と言われると、手先を意識してそれをやろうとすると指先に力が入って握ってしまうものです。親指の付根関節(CM関節)を伸ばしなさいと言えば、指先が反るように指が伸びる訳です。各指の付根関節(親指はCM関節・他の四指はMP関節)を指先方向に伸ばすように力をかけることで、手の全体の筋肉が同時収縮となって手の内が固まった形になります。虎口で受けた弓力(圧力)を手で押し返すのではなく、手は型崩れしないようにしたままで肩で押す意識で肩甲骨を開くように力をかけていければ、弓を握ることもなく、外竹側に矢が一本はいる空間も得られるのです。
養心
2012/04/05 16:33
養心さん

手の内の考え方は、ほぼ同様です。
ただ、手首の問題です。
弓は離れると上鉾が戻ろうとします。
この力は、会で虎口から左腕を通して左肩に伝わる真っ直ぐな力とは異質なものなのです。

この向きの異なる力に備えるには、手首を固めるという備えが必要です。
会で、弓や弦から両の手に受け渡される作用反作用の力と、離れた時に弓から手の内に及ぼされる力は、大きさも向きも異なっていることに留意して、離れを迎えなければなりませんね。

その弓理を疎かにした結果が顕著に現れるのが左の手首です。
手の内が、体幹から腕を通して、総合的に成立するものということも、賛同です。
レフティー
2012/04/05 17:51
こんにちは。
高2で弓道をやっています。
この手の内のやり方を見て、明日からやってみようと思っています。
そこで質問なのですが、手の背の伸筋はどうしたら鍛えることができますか?
アルパカ
2013/05/02 18:35
アルパカさん、手指の伸筋は筋肉というよりもほとんどが腱ですから、ダンベルなどのウエイトを使った筋トレで筋繊維を太くするような鍛え方のアイソトニック・トレーニング(等張性筋力トレーニング)は適していないと思います。
アイソメトリック・トレーニング(等尺性筋力トレーニング)が適していると思います。胸の前で両手を開いて指先どうしを接して、左右の指先を押付け合う運動です。最大筋力の70%ほどの力で10秒ほど押し続けて、この10回を1セットとして2〜3セット行います。セット間のインターバルは60秒ほどです。

慣れてきたら最大筋力を使って行いますが、ポイントは鍛えている筋肉に意識を集中することが大切です。

いつでも、どこでもできる運動ですので、三ヶ月ほど続けると手指の伸筋を鍛えることが出来て、手の内が崩れなくなると思います。(指先だけを床につけた腕立て伏せ運動も有効かと思います)
養心
2013/05/03 12:53
ありがとうございますっ!
さっそく今日からやってみます。
アルパカ
2013/05/18 17:36

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