クスネを作る

クスネ(天鼠または薬煉とも書く)の用途は、接着剤として弓具に多く利用されていた。
原料の松脂を溶かして植物油を少量加え混ぜ合わせた後に冷却した物がクスネで、常温でベタベタとした粘着力がある。植物油を加える量によって粘性が変化するから、夏用と冬用に分けて気候に合ったクスネを作る。

今までの作り方は、植物油として胡麻油やオリーブ油などの適量を、松脂を溶かした中に入れて混ぜ合わせ、その液体をスプーンで少量取り出して、水の中に数滴を垂らして冷却した物を、指先でつまみながら固さを確認し、固すぎた場合は油を数滴加え、柔らかい場合は松脂を加えるなどしながら、目的の固さに調整したクスネを作っていた。

松脂の量に対して油の量をどれだけ使用するかは、今までの経験測による感であってアバウトであった。今回は、その量を数量化する試みで作成した。
松脂の塊100gを溶解し、オリーブオイルを計量スプーンで計りながら投入していき、気温が20℃位のときに使い勝手が良い固さになったのが、20㏄のオリーブオイルを加えた時点であった。(秋春用のクスネが出来上がったことになる)

1回だけ測定した数値で決めることはできないが、次回からの目安として利用できる。
オイルを混ぜ合わせた液を、そのまま放置して鍋の中で空冷するのでは無く、水の中に流し込んで急冷するのが良い。徐々に冷した場合は、松脂の油分と添加した植物油が分離してか?解らないが、クスネを作ってから月日がたつと酸化するため?乳化して粘りけが減少する。急冷した場合は、変質することもなくクスネが長持ちする。

松脂が溶解すると、ギリ粉を作る時と同様に、異臭が立ちこめるから屋外で行うこと。
簡易形の卓上ガスコンロで、小さな鉄鍋を用いる理由は、アルミ製より鉄製の方が保温性がよいから火力の調整が楽で、水の中に流し込む際も途中で固まることがなく全量を水中に排出することができる。
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松脂(松ヤニ)についてのメモ
別名:ロジン、チャン。
性状:淡黄色ないしは黄褐色の塊で、松に含まれる樹脂酸を精製したものである。製造方法の違いにより(1)ガムロジン(2)ウッドロジン(3)トール油ロジンに分けられる。松脂(ロジン)はこれら3種の総称である。
比重:1.045~1.086
融点:120℃~130℃
軟化点:70℃~80℃
酸価:155~175
ケン化価:167~185
引火点:187.8℃
性状:アルコール、テレピン油に溶ける。
用途:紙のサイズ剤、石鹸、染料、合成樹脂用、乾燥剤、接着剤、はえ取り紙、電線、研磨剤、リノリウム、ゴム、医薬品、加工紙、レコード、農薬、うるし、革靴、新聞印刷インキ、乾電池、滑り止め(野球のロジンバック、弦楽器の弓への塗布)、香料など。
中国製ガムロジンの価格・容量:@380×20㎏入り袋+消費税=¥7980(税込み)
販売元:安土産業株式会社
購入日:2011年9月22日

この記事へのコメント

弓道修行中
2017年10月09日 07:03
はじめまして!

クスネを自分で作ろうと、サイトを探していたらこちらのページに辿り着きました。

私も松脂を溶かし、ごま油を混ぜたのですが、冷えると仕上がりがパキパキになってしまい上手くいきません。
油を混ぜてからの煮込む時間とかコツがあるのでしょうか?

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  • 「クスネを作る」について

    Excerpt: 「クスネを作る」について 大変参考になりました 使用するオリーブオイルの量まで計っていただけたのが嬉しいです 作り次第報告します Weblog: 正射必中 racked: 2011-10-27 12:56