養心弓道場

アクセスカウンタ

zoom RSS 伸筋を意識した姿勢

<<   作成日時 : 2012/04/09 14:56   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 9 / トラックバック 0 / コメント 7

関節を動かす筋肉、つまり骨格筋は解剖学的には屈筋と伸筋に分けることがでる。関節を曲げるときに力が入る筋肉が屈筋で、関節を伸ばすときに力が入る筋肉が伸筋である。胴体では、体を前屈するときは腹筋に力が入るから腹筋は屈筋で、反対に体を後ろに反らすときは背筋に力が入るから背筋は伸筋である。

肘を曲げて胴体を曲げて股関節を曲げて膝を曲げて頚を曲げてと、つまりしゃがんで丸くなるように体を小さくする動きは、全身の屈筋の収縮によって得られる。反対に、顎を引いて頚を伸ばして背中を伸ばして股関節を伸ばして膝を伸ばして肘を伸ばしてと、つまり立ち上がって身体の手足を大きく伸ばす動きは、全身の伸筋の収縮によって得られる。

このような全身の動きと屈筋・伸筋の関係から分かることは、屈筋は屈筋どうし、伸筋は伸筋どうしが協調しているということである。もし頚と胴体を曲げて股関節と膝を伸ばした体勢では、意識してバランスを調節しないと前に倒れる。反対に、頚と胴体を伸ばして股関節と膝を曲げたら、やはり意識してバランスを調節しないとその姿勢は保てない。
これは先ほどの屈筋どうしあるいは伸筋どうしの協調関係を崩しているから、意識していないとバランスが保てないのである。バランスは、同じ筋肉どうしが協調することで保つことができる。
画像
図の姿勢(A)の場合は、一般的に正しく立った姿勢と言われているが、重心が踵体重となっている。体重を支えるのに使われていて下半身(下肢)の筋肉は、伸筋よりか屈筋が主体的に使われるために、腕(上肢)を動かす筋肉も連動して屈筋が使われることになる。

姿勢(B)の場合は、垂直に立った姿勢で重心が土踏まずにあり、棒立ちの姿勢であるが下半身は伸筋と屈筋とが等しく使われていてバランスがとれている。だが、そのバランスは上肢を動かす筋肉が屈筋主体であれば下肢も屈筋が使われ重心が踵に移動する。逆に上肢が伸筋であれば体が前傾する動きがでて、伸筋と屈筋のバランスを保つ動きがでやすい。

姿勢(C)の場合は、(B)の姿勢から少し前傾して、重心が拇指球へ移動した姿勢で、下半身は膝裏が伸びて伸筋が主体的に使われる。したがって下肢の伸筋と連動し上肢の動作も伸筋を主体的に使うことができる動作となる。

伸筋は姿勢をコントロールし、屈筋は動きをコントロールしている。姿勢が良いとは、全身の関節を上手く伸ばせている状態をいう。猫背になったり、頚が前に出たり、腰が曲がったり、膝や肘が伸びきらなかったりと、これらのうちの一つでも該当すると良い姿勢にはならない。つまり関節が伸ばせないと姿勢は良くならないのである。

伸筋は伸筋に連動するように働くことから、上肢の手の関節も伸ばす伸筋の筋肉を使うように「手の内」を整えて、その伸筋を使い続けてないと、下半身の下肢(脚)も伸筋を使い続けることが出来なくなってしまう。つまり、下半身が伸筋主体であっても上肢の腕と手指が屈筋を使うようであれば、下肢(脚)で使われていた伸筋が無意識のうちに連動作用によって屈筋を使ってしまうように変化することになる。

伸筋での姿勢が決まったとして、伸びている関節をさらに伸ばす動きは、日常生活ではそう多くはない。良い姿勢からも手足を動かす動作の多くは関節の屈曲によって得られる。
したがって、行射するときは良い姿勢(Cの姿勢)の伸筋を維持しながら、手足を動かす動作でも伸筋を常に意識して使うように心掛けていれば、行射する途中で姿勢が変化することがないのである。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 9
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い 面白い 面白い
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
行射中に身体の筋肉の動きを観察すると今回の
一連の動きの説明は、なるほどとうなずけます。
特に屈筋と伸筋が連動するという観察は全く不
思議にその通りですね。
一連の筋肉の動きが意識している動きと無意識
の動き、筋肉同士の連動という分析はひょっと
するとあらゆるスポーツの鍵をとなるかもしれ
ないような気がします。
時間とともに変わる動きに対し、身体のあらゆ
る筋肉を使う訳で、反射神経の瞬時の対応が求
められるのが一般ですが、弓道は静の動きに動
を秘めなければならず、最後に示された伸筋を
意識するご指摘は今後の行射に気をつけて行き
たいと思います。
怠漫仏
2012/04/11 18:00
怠漫仏さん、
伸筋の姿勢が崩れるから手先の力が屈筋に変化するのか?
手先が屈筋を使うから屈筋主体の姿勢になるのか?
どちらも起きえる事象であることだと思います。
だから姿勢を維持するのも、手を動かすにしても、伸筋を意識していることが必要です。漠然と動作していては、使っている筋肉の変化に気付くことができませんよね。
養心
2012/04/12 12:05
養心さん、こんにちは。

弓道に於いて足踏みや胴造りは射の土台として大変重要ですね。
私も姿勢を伸筋がコントロールするという考えには賛同いたします。

ただ、説明の中に在った姿勢(C)には多少の疑問が沸きました。
例えば、図に有るような中立の姿勢から少しずつ前傾姿勢を深めていく時に、太腿の後ろ(屈筋)に手を当ててみると、前傾する程に力が入るのが分かります。
同様に、太腿の前側(伸筋)に手を当てたときは、力がだんだん抜けていくのが分かります。
つまり、からだが前へ倒れようとするのを、その反対側の太腿の後ろ(屈筋)に力が入って、持ち堪えようとしている訳です。

さて、端的に人のからだは下肢は前面が伸筋で、上肢は背面が伸筋というように、2種の筋肉群が腰の辺りで入れ替わっています。

この様なことから、姿勢(C)では下肢の後部の屈筋、上肢では背面の伸筋が使われている姿勢ではないかと思われます。

上肢、下肢共に伸筋を用いる姿勢になるためには、床に対して垂直な線・重力方向と同じですが、その線を挟んで下肢は僅かに後傾、上肢は前傾となって、腰を逸らすことで上半身を起こす。
そして、全体としては拇指球の付け根辺りに重心が落ちる形だと思います。
中立である踵の中心と親指先の中点がちょうど拇指球の付け根辺りになり、前傾姿勢の範囲内に於いて、前後への重心の移動に対して同程度の姿勢を維持する余裕を有するからです。

どうぞ、ご一考願います。
レフティー
2012/04/29 10:03
レフティーさん、
>上肢、下肢共に伸筋を用いる姿勢になるためには、床に対して垂直な線・重力方向と同じですが、その線を挟んで下肢は僅かに後傾、上肢は前傾となって、腰を逸らすことで上半身を起こす。
この姿勢では、出尻鳩胸の射形を想像してしまいます。レフティーさんの射形がそうだと言っている訳ではありませんが・・・。

>例えば、図に有るような中立の姿勢から少しずつ前傾姿勢を深めていく時に、太腿の後ろ(屈筋)に手を当ててみると、前傾する程に力が入るのが分かります。
同様に、太腿の前側(伸筋)に手を当てたときは、力がだんだん抜けていくのが分かります。
姿勢(C)では、太腿の前側にある大腿四頭筋(伸筋)が緩むことはありません。体を前傾させたときに、太腿の後側にある大腿二頭筋(屈筋)が緩むことでもありません。

両膝を伸ばし(ひかがみを張って)身体を少し前傾させながら両膝頭を内側(内回)に少し巻き込むと、両脚の前面にある伸筋が主体的に収縮して、後側の屈筋も緊張していることから、伸筋と屈筋の同時収縮により下肢が固定され、下半身が堅固となり上肢の動きに耐えられる胴造りが構築されると思っています。

レフティーさんに理解していただこうと、私見を押し付けるわけではないのですが、どうぞ、ご一考願います。
養心
2012/04/29 18:49
ご返信、有難うございます。

姿勢(C)は、棒立ちをそのまま前傾にした状態のように見えます。
この状態で、大腿四頭筋の力を抜こうとすれば抜くことが出来、その姿勢が保てます。・・・試してみて下さい。
しかし、この姿勢を維持しながらハムストリングの脱力をすることは出来ません。
養心さんは、屈筋と伸筋の同時収縮と云われましたが、姿勢(C)・下肢の状態を保つのには屈筋は必須ですが、伸筋は無くても済みます。
そこまで云わなくとも、この状態では屈筋が主として用いられています。

本文中では、同種の筋肉どうしの連動作用を主張していますから、これでは問題が拡大します。

Cの図では、重心が足の指先辺りにあり、前へ倒れ易い姿勢です。
図が適正ではないように思いますが、この図や記述内容は養心さんのオリジナルとしてのものなのでしょうか。
御自身の長く尊い修練からのものでしたら、考えの差異は有っても尊重しますが、転載のようなものでしたら再検証が必要に思います。
レフティー
2012/04/29 21:49
土踏まずのやや前に重心がくるのが正しいのでは?
mitumei
2013/06/21 16:46
mitumeiさん、「射面」の誤字を修正いたしました、ご指摘をありがとうございました。

教本にも「重心は足の土ふまずのやや前方におく。」と記載されています。
土ふまずのやや前方とは、具体的には足指の拇指球だと思います。足裏の土踏まずは床に接していません(偏平足でない限りは)、体重の重圧を感知する箇所は床に接している拇指球であることから、「重心が拇指球へ移動した姿勢」と表現しました。ご理解ください。
養心
2013/06/21 21:01

コメントする help

ニックネーム
本 文
伸筋を意識した姿勢 養心弓道場/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる