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zoom RSS 「膝の生かし方』について

<<   作成日時 : 2012/04/13 12:33   >>

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弓道では、坐射における跪坐の姿勢では、主たる物である弓を持った方の左膝を生かすことになっている(肌脱ぎ、肌入れの動作では、右手に弓を持ち変えるので右膝を生かすこととなる)。

左膝を生かす理由は、武士の心得は瞬時たりとも隙を見せないように気合いを保っていることが大切で、膝を生かすことにより腰部および大腿部の緊張筋の働きは骨盤を前傾させて背筋を伸ばす作用をする。これにより大脳が刺激されて、凛然たる正気が身体に充満し、周囲を圧する気迫が生じる。武器を手に持っている心構えとして、主たる武器と心身を一体とするために膝を生かしているのである。

坐射において、跪坐の姿勢から膝を生かす箇所は、次の箇所である。
1. 本座で揖(ゆう)をするときには、跪坐になってから左膝を生かしてから揖を行ない、揖を終えてから左膝を一旦床に戻し、両膝を床につけてから腰を切って立つ(射位に前の立ちがいる場合は、落ちの弦音がするまで膝を生かして待ち、弦音で揖を行なう)。
2. 射礼で和服の場合は、本座で肌脱ぎのために脇正面へ向きを変えて弓を立て終え、左手が左腰についたら右膝を生かす。右膝を生かしたまま肌脱ぎ動作を行なう。肌脱ぎを終えてから的正面に向きを変える直前に右膝を床に戻し、的正面に開き足で向きを変える。
3. 射位まで進み、跪坐となって開き足で脇正面に弓を立てたら左膝を生かし、生かしたまま矢番え動作を行い、次に立つ間合いの直前まで左膝を生かしたまま跪坐の姿勢を保つ。
4. 甲矢を射終えて、その場に跪坐となる場合は、弓を立てた直後に左膝を生かし、生かしたまま矢番え動作を行い、次に立つ間合いの直前まで左膝を生かしたまま跪坐の姿勢を保つ。
5. 射礼で甲矢を射終えて本座に戻った場合は、本座で跪坐となったら左膝を生かし、乙矢を持ち変える。次に立つ間合いの直前まで左膝を生かしたまま跪坐の姿勢を保つ。
6. 射礼で乙矢を射終えて本座に戻り、和服では肌入れのため脇正面へ向きを変えて弓を立て終え、左手が左腰についたら右膝を生かす。右膝を生かしたまま肌入れ動作を行なう。肌入れを終えて的正面に向きを変える直前に右膝を床に戻し、的正面に開き足で向きを変える。跪坐の姿勢で右膝を生かして揖を行ない、両膝を床につけてから立つ。

膝を生かす動作は、跪坐の姿勢を崩さずに行ない、その動作で姿勢に隙をつくらないことが大切で、ただ膝だけを持ち上げるだけの動作では無く、上半身を真上にのばす心持ちで腰の片側にある脇腹を吊りあげるようにして、片膝が手の平一枚分浮き上がった姿勢である。

膝を生かしたことによって、姿勢が崩れてしまっては、主たる弓との心身が一体とはならずに隙ができる。だが、多くの射手が膝の生かし方がよろしくないために、跪坐の姿勢が崩れて隙を作っている。そのやり方を拝見していて気付くのは、跪坐の姿勢そのものが崩れていたり、膝だけを上げていたり、片足をずらしていたりしている場合がある。

膝を生かす動作は、動きの少ない小さな動作であるが、小さな動作ほど心して行い、息合いを使って他の人と動作が一致することが大切である。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
長年の闘病生活お疲れ様でした。
さて、4.の膝を生かすタイミングですが、甲矢を射たのち、跪座をし、即膝を生かすはずですが、間違いではないでしょうか?(弓を立てた後ではない)

昔、私の所属する支部でも意見がわかれておりました。
最近発刊されました「補完・弓道三昧」にその点、記載されております。
kuricha
2012/08/24 20:16
甲乙一手での膝を生かすタイミングについてですが、
甲矢の場合、本文の3に記した通りのタイミングでの補足説明をします。
甲矢を射たのち乙矢の場合、膝を生かすタイミングは二通りあると解釈しています。
二通りとは、射位で跪坐したのち、両膝が床についた状態で右手に取矢した乙矢を持ち替えるために左手に右手を移動させ矢を持ち替えて、その右手を右腰に戻してから弓を立てていきますが、その弓を立てる動作は、審査の間合いでは立ち番によって弓を立てるタイミングが異なります。跪坐の執弓の姿勢で待つ立ち番1,2,3番と4番の人と、5番(落ち)の人では弓を立てるタイミングが異なるのです。
5番(落ち)の人や一人(単独)で行射する場合は、弓を立てるのに間をおかずに立てますから弓を立てた後に左膝を生かします。弓を立てるのに間がある場合は跪坐の執弓の姿勢で待っているときに隙(気の働きの消滅)が生じないように左膝を生かして待ち、弓を立てるときは膝を生かしたまま弓を立てます。
従って、甲矢を射たのちの乙矢では、膝を生かすタイミングが二通りあると理解して、使い分けております。
本文での説明不足で、お詫びいたします
養心
2012/08/25 19:18
なる程・・・前述の本の文章そのまま書きますね。

*演武・審査では甲矢を射終わって射位に跪坐したら、直ちに左膝を生かして乙矢を持ち替える(乙矢を持ち替えて膝を生かすのではない。従って、弓を立ててから左膝を生かすこともしない)。

原文ままです。
kuricha
2012/08/26 23:31
なる程・・・。

甲矢でも、開き足が終えたら、そく左膝を生かしてから目通りの弓を立てる。その方が、甲矢乙矢での膝の生かし方に整合性があるように思います。
甲矢は弓を立ててから膝を生かすことの訳は何故なんでしょうかね。
養心
2012/08/27 09:29
そうなんですよね。あくまで「主たる物を持った側の膝を生かす」、スキを作らないという理由から考えればそちらが先だと思うのですが・・・

甲矢の際は体の向きを的方向から上座方向に開き足する際、弓の挙動が、弓を立てるまで連続しているら・・・なんて思ったりもするのですが。あくまで私の理由付けです。
kuricha
2012/08/27 14:29
脇正面に開き足する際、腰を切り終えた時点で弓を目通りの高さで一旦止めていますから、弓のの挙動は連続していることにはならないのでは…。
なんて思ったりもするのですが。あくまで私見です。
養心
2012/08/27 15:09

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